ここ数年結婚記念日を覚えていたことはない。
当日思い出したことは良いほうである。
結婚してから十数年、妻は実家の寝たきりの母親の看病で、
毎日1時間かけて車で通っていた。
結婚式でキャンドルに灯をともす。
新郎新婦の席のキャンドルは大きくメモリがついている。
結婚記念日にそのキャンドルに火を灯すように言われた。
1年目の記念日、一人で火を灯した。
数時間後妻が帰ってきたが、メモリまで届かず火は灯ったまま。
妻と祝った。
2年目、3年目とこれが続いたが、下になるほどキャンドルは太く、
3時間、4時間灯しても目盛には届かない。
早くメモリまで行くように、芯を2つ、3つとし、
溶けて液状のロウを紙でぬぐい、
早くメモリまで行くように工夫した。
5年ころからは半日以上かかるようになり、灯すことはやめた。
正月にはアイスキャンドルをつくっていたので、
これに使おうとした。
10センチ程度の長さに切ろうとした。
カッターでは切れない・・・ノコで切った。
ロウがノコの刃にくっ付きなかなか切れない。
皆はこのキャンドルを活用したのだろうか?
キャンドルを考えた人はこの現実を考えていたのだろうか?
このキャンドルがあって良かったと思ったことはない。
毎年苦痛の記念日であった。
結婚式は11月9日だが、婚姻届を出してくれた人が、
届けた日を書いてしまったので、
戸籍上ではその後の日が婚姻の日となっている。
妻はこれを知らない。
アスパラの実