サケの刺身を食べて・・・

 愚かな友人の話を、関係のない遠くの山と牛の写真をまじえて。

 好まれる握り寿司の上位にあるサーモン。

(さけ)や鱒(ます)を冷凍にしてから刺身にしたものを、子供のころからルイベ(サーモン)と呼んでいた。

鮭などにはアニサキスなどの寄生虫がいて、生で食したら大変なことになる。

特に川の鮭は危険。

養殖された鮭や高度の調理技術であれば別であるが。

 産卵のために川をのぼる鮭を捕獲することは禁止されている。

そしてその鮭は、餌を滅多に食べない。

なので、人目につかない深夜に、引っ掛け用の針を川に何度も投げ入れ、

鮭を引っ掛け釣り上げる。

 産卵後の鮭(ホッチャレ)は、不味いので食材とされないが、密漁の鮭はまともな食材。

何度も密漁している愚かな友人たちは、いつものたまり場である仲間のバーで慰労会。

いつもの料理に飽きて、鮭の刺身を食べてみたいとの一言で、危険を承知で鮭の刺身に挑戦した。

 三枚おろし、皮はぎ、刺身に切るの行程ごとに包丁を替え、衛生面で最善をつくした刺身。

恐る恐る食べたが、あまりの旨さに、

食あたりしても本望だと盛り上がっていた・・・・

間もなく腹痛、下痢、身体中にジンマシンが出来て、家に帰る元気もなく死ぬ思いで朝を迎えたそうだ。

 入院せずに済んだと、にやけてその経緯を報告に来てくれたが、

時々夜中に私に届けてくれていた鮭が密漁だったことをその時知った。

 アイヌの鮭の漁業権が話題になるが、

50年ほど前の出来事。

ワイン町長と呼ばれて有名だった池田町の町長が、密漁で町民が何度も捕まる状況を見て、

趣味で川鮭を釣るのを認めてと訴えたが相手にされず。

 許可が得られないなら、川の合流点に水車を作り、小川に鮭を引き入れると言い、

(鮭は水車など高低差ある川を登る習性がある。千歳市にある鮭捕獲のインデアン水車が有名)

その地域だけ特別に趣味での鮭の川釣りが認められた。