『働き方改革法案』の一考察

(生き物と風景写真特集―3)

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 長時間労働をやめるための『働き方改革法案』は過労死促進法と言われている。
 『8時間以内でも、8時間以上でも、8時間働いた賃金を払う』とする『裁量労働制(脱時間給)』の対象拡大は、定額働かせ放題と言われている。

 

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 労働時間を少なくし、働く時間・場所・方法は労働者自らが選択できるバラ色の法案?
 経済学者や、過労死した遺族たちが、野党が何故反対するのか疑問の方もいるだろう。

 

アトリ

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 私の経験。
 大学を卒業して、論文を書いていた23歳の時、つなぎの間だけと頼まれて、商工会に勤務した。
 事務局長、指導員、指導員補佐、記帳指導員2人、事務員2人の7人体制から、事務局長と指導員補佐が退職したため、この2人分の職務を担当するものであった。

 

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 各種行政機関との折衝、イベントの立案、会議資料の作成・説明、夜の接待などが日常業務。
それに加えて、『商店街診断』を2名の臨時職員を使って半年の大事業。

 『残業はあっても無くても5時間の残業手当を支給』と規定されていたが、
『8時間以内でも、8時間以上でも、8時間働いた賃金を払う』とする論法と同じ。

 

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 現実は、月の残業は120時間を超えるほどであった。
だから、勤務中に床屋や私用を済ませて、疲れたら昼間寝ることも有った。
 まさに『裁量労働制(脱時間給)』を自ら実践していた。
 長時間労働を強要するためには、個人の裁量を認めることが必然的となる
 それは労働ロボットのように、労働そのものが生活と言う状態。

 

アトリのケンカ

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 裁量労働制の前段に、『残業時間の上限規制』がある。
これが20~30時間程度なら、疑念も起こらないのだが、
100時間の規制であるから、バラ色の法案とは考えられないのだ。
 個人の裁量で仕事をするのだから、過労死は企業の責任逃れにもなる可能性もある。

 

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 自由な仕事の仕方、残業量(仕事量)の減少が趣旨である労働者のための法であるならば、この法を経団連が熱望するはずがない。
 労働者のための法であるかのようにつくろう為には、
裁量労働制を実施している企業のほうが、残業が少ないとするごまかし資料が必要だったのだ。

『ごまかし資料』は次回に。

 

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