徘徊中の事故に関する判決について

認知症配偶者の監督責任

「徘徊癖のある認知症の家族は、徘徊できないように対応すべき」

との考えが論点の一つである。

介護保険制度が出来てから間もなく、関係団体から指摘が出てきた。

A 「拘束」の判断基準である。

① 車いす利用者が姿勢を保てないのでベルトをする。

これが「拘束」「自由を奪っている」としてベルトは禁止された。

施設側は事故防止のために必要であり、ベルトができなければ受け入れ出来ないと。

結局運用として、家族の了解を受ければベルトして良しとの通達。

② 徘徊するので、介護者が一時家を空けるとき鍵をかける。

これも拘束であると言う。

認知症であっても外に出たいと言う気持ちを尊重しなければならないとのこと。

事故がうんぬんよりも、人の自由・尊厳が第一であるとのこと。

B プライバシーの尊重。

① 特養は生活の場であるから、個室にすべき。

認知度により異なるが、孤立状態を引き起こし、問題の発見が遅れることがある。

個室にするから当然に入所料金も高くなる。

② 認知症の人は、己の状況が若返ってくる。

だから、入所者の過去を知り、それに合った会話をして、落ち着かせ満足させる。

入所者の過去を調べることは、プライバシーの侵害だと言うのだ。

昔一時話題になったウーマンリブ?の発想を思い出す。

 

そもそも、介護保険制度は厚生省の一部の人間が発案したもの。

新制度を始める場合、国は都道府県の担当者を集め説明会を開く。

介護保険のその説明は、厚生省ではなく東京都の障害者福祉センターが行った。

    介護保険制度=高齢者福祉のように思われているが、障害者福祉なのです。

当時、ゴールドプラン・・新ゴールドプラン・・・とめまぐるしく変わった時代。

いかに福祉に金をかけないようにするかが論議されていた。

だから介護保険制度は未完のままに出てきた制度だから、何度も修正され、

いまだに矛盾点が出てくる。

特養入所該当者は、かって措置入所で行政が責任を持っていた。

介護保険制度の今は、本人・家族が責任を持つことになっている。

特養を探すこと、入所を申し込むこと、すべて本人・家族が行う。

ケアマネージャにこれらを行う権限はない。

「すべて本人の自由意思」という美名のもとにすすむ。

税金の申告も「自主申告」という美名のもと。

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