蛾についての素晴らしい意見を伺い感動して、
これを書くことにすこし恥じらいを感じますが、
数年前にある婦人から説明を受けたことです。
彼女は陶芸家の奥さんで、その時はすでにご主人は他界していましたので、
一人きりで自然に触れ合いながら生活していました・・・今も元気です。
蛾が大量発生したので困ったものだと話していたところ、
彼女の小さな農園に連れられました。
そこには毛虫が居ました。
写真①白くて長い体毛の幼虫は「白髪太郎」と言うそうです。
戦時中、食料やまゆとして活用されたそうです。
しばらくすると電話がありすぐ来るようにとのこと。
白髪太郎が自分で1昼夜でつくった網状の写真②「透かし俵」と言われる中にいました。
この中で成長するとのこと。
その後いつの間にかそこから居なくなりました・・・蛾になったのでしょう。
内側の羽に威嚇する目の模様がある楠蚕が成長し蛾になると、
真夏の夜街路灯の明かりの下で乱舞し、
翌日早朝から産卵しその後1~2日で息絶えるとのことです。
楠蚕には口が無いので、楠蚕になった時点で死ぬということです。
ある日の早朝電話があり駆けつけると、写真③楠蚕が産卵しているのです。
彼女も楠蚕の産卵は初めて見るとのことですが、数時間に及ぶものでした。
卵は写真④ビーズのように穴が開いています。
虫が嫌いな方は以下の写真は見ないでください。
①白髪太郎
②透かし俵
③産卵 裏から見る
④産卵外から見る
⑤疑似目を見せている楠蚕